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2006年1月 アーカイブ

2006年1月 5日(木)

同時進行

渡辺源四郎商店店主日記を見て驚いた。青森中央高校は2本の芝居を同時進行で練習しているのだ。
昨年の全国大会で最優秀となった「修学旅行」を東北各地で公演ているのがまだ続いているようだ。
そして、昨年の東北大会で最優秀となり、今年の全国大会での「生徒総会05」と。

2006年1月 8日(日)

劇団「金蘭座」

劇団「金蘭座」を観て来た。金蘭会高校の卒業生のつくる劇団で顧問の先生が立ち上げた。
その顧問の先生の作・演出なので座員にとっては慣れたものだろう。
以前観た時は知らない座員も多かったが今回はほとんど現役時代を知っていた。
現役の3年生が協力していた。
現役と変わらぬ金蘭会パワーだった。

2006年1月12日(木)

博士の愛した数式

「博士の愛した数式」という本を読む機会があり、2日間で読んでしまった。「友愛数」や「完全数」など私の知っていることが多く登場する。多くの人には馴染みが薄いと思うので、なぜ話題になっているのかよくわからない。
新しいことを記憶できなくなる障害のこともかなり以前にテレビで見て知っていた。
引き込ませる力があるとは思う。実際私は一気に読んだ。
私の大学での専門は代数学で、整数論ではない。しかし、整数論は好きだった。
オイラーの公式が実は三角関数とつながっていることを知っている読者は少ないだろう。

2006年1月13日(金)

花粉症

どうやら花粉症の季節らしい。
例年だととっくに耳鼻科に行って、予防のための薬をもらって来ているのだが、今年は大したことないとかいう予報を信じて油断していた。

症状が風邪と似ているので、風邪かと思っていたのだが、昨夜辺りからどうも花粉症ではないかと疑いをもったけれども時既に遅し。今日は陰鬱な1日だった。
明日は絶対に耳鼻科に行く。雨が降る予報だが、むしろ好都合。花粉が落ちて症状が軽くなる。

例年杉の季節が終わっても症状が続くので、杉以外にもヒノキか何かもあるようだ。ひょっとしたら、今も杉以外のものが原因かも知れない。

2006年1月14日(土)

ブログの日付言語

このブログはお気づきの方もおられるかと思いますが、Movable Type でつくっています。

Ver. 3.2 からは限定個人用でもブログの数が無制限になったので、エスペラントによるブログをつくっています。
日付用の言語の中にエスペラントがなかったので、追加しました。その方法は他の言語を追加する場合にも応用ができるかと思いますので、「追記」で紹介します。関心をおもちの方はご覧ください。

続きを読む "ブログの日付言語" »

2006年1月15日(日)

オイラーの公式

先日の「博士の愛した数式」に「オイラーの公式」が出てくる。
ただ、eπi+1=0となっているのが気に入らない。
eix=cosx+isinx というのが本来の形。
件の式は x=π という特別な形。角の単位はラジアン(弧度法)。弧度法は弧が半径に等しい扇形の中心角を単位とするもの。πは180度。

オイラーの公式は理科系の者には基本的なもの。ただし、複素関数の基本なので、高校では扱わない。
この本が取り扱っていることもほとんど高校までで扱うことがない。三角数は前の課程では扱っていた。

2006年1月16日(月)

三角数

三角数というのは「博士の愛した数式」の中でも説明されているので、そちらをご覧いただくことにする。
実は他にも四角数や五角数などがある。三角数と同様に四角形や五角形になる数。最初の5つずつを並べてみると、
三角数:1,3,6,10,15,...
四角数:1,4,9,16,25,...
五角数:1,5,12,22,35,...
これらは数列という観点で見ると、いずれも初項が1で、それぞれ公差が1,2,3の等差数列の和になっている。特に三角数は自然数の和で、四角数は奇数の和になっている。

2006年1月17日(火)

数学

何だか「数学」日誌になりそうな勢いだが、私の専門なので、仕方ない。

数学というのは他の自然科学と異なり、自然界を対象としない。整数論は「数」を対象とするではないかという声が聞こえてきそうだが、「数」そのものがどこに存在するだろうか。1個のリンゴ、1個のみかんはあっても「1」というものはどこにもない。「1」という概念は相当の抽象化によって初めて獲得される。
このように自然界にモデルが存在することはあるが、純粋に理論によって構成される。物理や化学では理論と実際が合わなくなったとき、理論のほうを修正する。しかし、数学は「実際」というのがないので、理論が修正されることはない。理論の展開に誤りが発見されて、その部分が破棄されることはある。

数が自然界のモデルにのみ頼らないように、数を理論的に構成するということも行われている。ペアノという人がつくった公理がよく知られている。
公理1.1は自然数である。
公理2.自然数には「次の数」がある。
公理3.「次の数」が等しい自然数は等しい。
公理4.1を「次の数」とする自然数はない。
公理5.自然数の部分集合で、1を含み、すべての要素の「次の数」を含むものは自然数の集合である。
この公理5.が「数学的帰納法」の根拠になっている。

2006年1月18日(水)

人工言語

昨日紹介したペアノも人工言語を発表している。
ソルレソルという。勘のいい方はお気づきかと思うが日本語での呼び方にすればソレソ。音階名からつくられ歌うことも可能なのだそうだ。

発表されたものだけでも多くの人工言語がある。
しかし、単語や文法まですべてを創り出しているために覚えにくいものがほとんど。

エスペラントの発表の少し前にボラピュックVolapuk(uの上には点2つ。ドイツ語をご存知の方はウムラウトと言えばお分かりでしょう。)というのが発表されていて、ザメンホフもエスペラントの発表をやめようかと考えたらしい。これは、ドイツのシュライアーが発表したもので、ドイツ語などをベースにしている。
ザメンホフがエスペラントの発表を決意するようになったのは、シュライアーがボラピュックを飽くまでも自分のものとしたため。
ザメンホフは根幹となる部分は変えないように求めたが、言語が自然に変わるように、使用者に任せた。

生徒総会06

青森中央高校の演目は「生徒総会06」だそうです。
東北大会までは「生徒総会05」だったのですが、全国大会は今年なので、全国高演協に連絡して変更してもらったとのこと。

2006年1月19日(木)

近畿大会生徒講評

京都府高等学校演劇連盟で生徒講評委員の講評が発表された。

ブログではあるが、コメントもトラックバックもできない。

2006年1月20日(金)

今日もリハーサル

今日の午前中は芸術祭のリハーサル。

盲学校(正確には大阪市立盲学校高等部)は初めてでこちらも戸惑った。弱視で強い光がダメな生徒がいるそうだ。夏の講習会では演技指導を受けたのが照明を浴びてしんどくなってしまったとのこと。
強すぎず客席からは見える明かりということで青をベースにした地明かりをつくってOKをもらった。

午後は学校に戻って、授業をした。放課後には臨時の職員会議が待っていてくれた。

2006年1月22日(日)

芸術祭終了

芸術祭が無事に終了した。

盲学校は初出場で生徒にとっても普段の活動とは全く異なり、いろいろと刺激されたらしい。
高校側にも刺激になったのではないかと思う。

扇町は別役作品で、始まり方が通常と異なっていたので戸惑った観客が多かったようだ。装置はさすがで机と椅子が規格品のようにきっちりとつくられていた。

2006年1月23日(月)

全国大会出場校

全国大会出場校が確定しました。

北海道代表:釧路北陽高校「ラスティングミュージック」
東北代表:青森中央高校「生徒総会06」
関東代表:秩父農工科学高校「サバス・2」
      :八王子東高校「学割だからいいのよ」
      :甲府昭和高校「全校ワックス」
中部日本代表:愛知高校 「死神」
近畿代表:滝川第二高校「君死にたまふことなかれ」
中国代表:島根県立三刀屋高校「三月記~サンゲツキ~」
四国代表:徳島県立城西高校「あすべすと」
九州代表:福岡市立福翔高校「木」
開催県(京都府)代表:同志社高校 「ひととせ」

北海道、東北、関東、中部日本、近畿、四国、九州の8ブロックの代表と開催県代表が出場します。規約上は関東を除く各ブロックの代表は1校、関東は2校で、あと加盟校数が最も多いブロックからさらに1校となっています。今は関東が最大ブロックなので、3校になっています。

なお、青森中央高校の演目は東北大会までは「生徒総会05」でした。

2006年1月24日(火)

ハノイの塔

サブルーチンを再帰的に呼び出す例としてプログラミングのテキストによく「ハノイの塔」が登場する。

元の話として聞いている話の真偽は定かではないが次のようなもの。
ハノイのとある寺に直径の異なる円板が64枚ある。大きな円板を小さな円板の上に置くことはできない。円板を置くことのできる場所は3箇所。そのうちの1箇所から別の1箇所に移している。1度に移せるのは1枚。全部を移し終えた時が世界の終わり。

これは数列の漸化式のネタとしても使える。
簡単な2枚の場合を例示する。AからCに移すものとする。1が2より小さいものとして表示。

A12BC  Aから1をBに移す。
A2B1C  Aから2をCに移す。
AB1C2  Bから1をCに移して終わり。
ABC12

では、4枚の場合はどうでしょう?考えてみてください。答えは明日。

2006年1月25日(水)

ハノイの塔4枚の場合

ハノイの塔 ←このようなものが売られている。



最初 これが4枚の場合の最初の状態。4枚の円板があるところをA、その隣をB、右端をCとする。円板は上から1、2、3、4とする。→


1回目 ←1回目、Aから1をBに移す。A234,B1,C


2回目 2回目、Aから2をCに移す。A34,B1,C2→


3回目 ←3回目、Bから1をCに移す。A34,B,C12


4回目 4回目、Aから3をBに移す。A4,B3,C12→


5回目 ←5回目、Cから1をAに移す。A14,B3,C2


6回目 6回目、Cから2をBに移す。A14,B23,C→


7回目 ←7回目、Aから1をBに移す。A4,B123,C


8回目 8回目、Aから4をCに移す。A,B123,C4→


9回目 ←9回目、Bから1をCに移す。A,B23,C14


10回目 10回目、Bから2をAに移す。A2,B3,C14→


11回目 ←11回目、Cから1をAに移す。A12,B3,C4


12回目 12回目、Bから3をCに移す。A12,B,C34→


13回目 ←13回目、Aから1をBに移す。A2,B1,C34


14回目 14回目、Aから2をCに移す。A,B1,C234→


15回目 ←15回目、Bから1をCに移す。A,B,C1234


以上15回で移せます。

2006年1月26日(木)

世界の終わるとき

さて64枚の円板を全部移し終わると世界が終わるという話を「ハノイの塔」で紹介しました。この64枚を移すには何回かかるでしょうか。
4枚の時は15回でした。

一番下の円板を動かせるのはその上のすべての円板が他の場所に移されたときです。4枚のときの7回目の状態になったときに初めて4が動かせます。

AからCに移すものとし、n枚のときにan回かかるものとします。
1枚なら直接AからCへ移す1回ですからa1=1です。2枚のときは上の1枚をまず、Bに移し、2枚目をCに移して、Bの1枚をCに移しますからa2=a1+1+a1=3です。
n枚のときは上のn-1枚をまず、Bに移し、一番下の1枚をCに移し、Bにあるn-1枚をCに移します。上のn-1枚をBに移すのは、Cに移すときのBとCを入れ替えて考えればよいので、an-1回です。従って、an=an-1+1+an-1=2an-1+1回です。
この最後の式はn=2のときはa2=2a1+1となります。
同様に、a3=2a2+1=2×3+1=7、a4=2a3+1=2×7+1=15となります。
このように次々にanを求めることができます。このan=2an-1+1のような式を漸化式といいます。

漸化式を使えば次々と求められるのですが、64枚の場合のa64を求めるのは大変です。実はこの場合、an=2n-1となることがわかっています。だからa64=264-1となります。
これは非常に大きな数なので、おおよそどれくらいの数になるかを求めてみます。おおよその数なので、264でも大差ないといえます。
対数を使います。log10264=64log102で、log102がおおよそ0.3010なので、19.264となります。つまり、1019=10000000000000000000を超えます。
1枚を動かすのに1秒かかるとして、1年が60×60×24×365=31536000秒ですから、3000億年を超えます。地球が誕生してから46億年といわれていますから、世界が終わるときを心配する必要はなさそうです。

2006年1月27日(金)

集合

高校の集合はなぜか無限集合を取り扱わない。全然扱わないわけではないが、こう言って構わない扱いだ。

集合論の真価は無限集合にある。

有限集合と無限集合の性質の違いを示すのによく使われる話を紹介する。

無限に部屋のあるホテルがあるとする。それが満室のときに1人来た。
実在のホテルならお帰りいただく外ないのだが、無限に部屋があるので泊まれる。
1号室の客に2号室に移ってもらうなど客に手間をかけさせるが、現在の部屋番号より1多い部屋に移ってもらう。すると1号室が空くので、そこに泊まってもらえばよい。

同じく無限に部屋のある満室のホテルに無限の人が来た。
このときは1号室の客に2号室、2号室の客に4号室と、現在の部屋番号の2倍の番号の部屋に移ってもらう。
すると奇数番号の部屋が空くので、そこに泊まってもらえばよい。

2006年1月28日(土)

無限集合

さて、無限集合についてもう少し触れてみよう。

いろいろな無限集合がある。なお、無限集合とはその要素の数を数え切れない集合である。
どれだけ多かろうと時間さえかければ数え終わるものは有限集合である。
自然数の集合、整数の集合、有理数の集合、実数の集合を考えてみる。
段々と「多く」なっているのは明らかだ。

ところで、この「多い」というのはどういうことなのかをはっきりさせておく必要がある。
教室に机と椅子がある。たいていはそれぞれを数えずに、どちらが多いか、あるいは同じ数であるかが簡単にわかる状態になっているはずだ。机と椅子は一緒になっているものと思う。この対になっている机と椅子は「対応している」。この対応が重要で、すべての机と椅子が対応しているならば、同じ数になっている。

有限集合ならば、そういう対応が可能であれば、1台の机と1脚の椅子とを対応させる限り、必ずすべての机と椅子とが対応する。これを1対1対応という。
ところが、無限集合になると、そうはいえなくなってくる。ある方法で1対1対応になったからといって、別の方法でも1対1対応になるとは限らない。
自然数と正の偶数を考えてみる。自然数の方の2倍の数をとれば、この2つの集合の間には1対1対応ができる。しかし、偶数の方に同じ数を対応させると、偶数と対応しない自然数が無数にできる。
無限集合の場合はとにかく1対1対応ができれば同じ「数」ということにする。もっとも、「数」というと妙なので、「濃度」と呼ぶ。
実は自然数、整数、有理数の3つの集合の間には1対1対応ができる。つまり、同じ濃度なのである。どうすれば1対1対応になるか考えてみてください。

2006年1月29日(日)

いろいろな無限

整数の並べ方を次のようにします。
0,1,-1,2,-2,3,-3,...
つまり、0から始めて絶対値の小さいほうから正の数、負の数と並べていきます。こうして並べていくということは自然数との対応をつくっていくということです。これは通常の「数え方」と同じです。有限集合ならばどこかで終わり、最後に対応した自然数が「個数」です。
式でかくと、正の整数nは2nに対応させ、0と負の整数-nは2n+1に対応させます。
これで1対1対応になりますから、自然数と整数は同じ濃度です。

有理数のほうは少し複雑になりますが、
0,1/1,1/2>,2/1,1/3,2/2,...
つまり、0から始めて分母と分数の和が小さい方から、和が同じ中では分子の小さい方から並べます。
このとき、1/1,2/2のように数としては同じものが出てきます。既に出てきたものと同じ数はとばしていけばいいのですが、式に表すことができなくなります。この点の理論的処理はできるのですが、かなり複雑で、この程度のスペースでは書けません。
これで自然数と有理数も同じ濃度になります。

では自然数と実数も同じ濃度なのかというと、1対1対応ができないことが証明できます。つまり、実数の方が自然数よりも「多い」ということになります。

無限集合の間にも「大小」があるのです。

2006年1月30日(月)

人工言語

以前人工言語について紹介した。

ある意味では人工言語といえるものがある。例えばヘブライ語。今イスラエルの公用語になっている。
古代ヘブライ語は既に滅んでいた。今のヘブライ語はその滅んだ古代ヘブライ語を復活させたもの。当然当時はなかった単語など復活は大変だったろう。

日本語の「標準語」もある意味では人工言語。東京の下町方言をベースにつくられた。

前回紹介したソルレソルのようにそのすべてを創られた言語や今回取り上げたようにベースとなる言語があるものまで、様々な人工言語がある。
エスペラントも単語についてみると既存の言語から取ってきているし、文法も既存の言語にモデルがある。欧米の大半の言語が属すインド・ヨーロッパ語族の基本的な文法構造をベースに不規則をなくし、名詞や形容詞の性をなくし、動詞の人称変化をなくすなどして大幅に整理されている。

2006年1月31日(火)

約数・倍数

約数と倍数は通常自然数だけで考えるように教えられる。
しかし、整数についても考えることができるし、因数分解のときには考えている。

例えば、6の約数は1,-1,2,-2,3,-3,6,-6 である。-6の約数も同じ。
自然数だけで考えれば1,2,3,6。これらに"-"をつけた数が増えるだけ。

自然数だけで考えるのはそうすれば話が簡単になって、整数も考えたければ、"-"をつけた数を追加すればよいという理由もあるが、実はやっかいな問題を抱えてしまうためという理由もある。

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