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無限集合

さて、無限集合についてもう少し触れてみよう。

いろいろな無限集合がある。なお、無限集合とはその要素の数を数え切れない集合である。
どれだけ多かろうと時間さえかければ数え終わるものは有限集合である。
自然数の集合、整数の集合、有理数の集合、実数の集合を考えてみる。
段々と「多く」なっているのは明らかだ。

ところで、この「多い」というのはどういうことなのかをはっきりさせておく必要がある。
教室に机と椅子がある。たいていはそれぞれを数えずに、どちらが多いか、あるいは同じ数であるかが簡単にわかる状態になっているはずだ。机と椅子は一緒になっているものと思う。この対になっている机と椅子は「対応している」。この対応が重要で、すべての机と椅子が対応しているならば、同じ数になっている。

有限集合ならば、そういう対応が可能であれば、1台の机と1脚の椅子とを対応させる限り、必ずすべての机と椅子とが対応する。これを1対1対応という。
ところが、無限集合になると、そうはいえなくなってくる。ある方法で1対1対応になったからといって、別の方法でも1対1対応になるとは限らない。
自然数と正の偶数を考えてみる。自然数の方の2倍の数をとれば、この2つの集合の間には1対1対応ができる。しかし、偶数の方に同じ数を対応させると、偶数と対応しない自然数が無数にできる。
無限集合の場合はとにかく1対1対応ができれば同じ「数」ということにする。もっとも、「数」というと妙なので、「濃度」と呼ぶ。
実は自然数、整数、有理数の3つの集合の間には1対1対応ができる。つまり、同じ濃度なのである。どうすれば1対1対応になるか考えてみてください。

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集合(2006年01月27日 22時17分

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2006年1月28日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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