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いろいろな無限

整数の並べ方を次のようにします。
0,1,-1,2,-2,3,-3,...
つまり、0から始めて絶対値の小さいほうから正の数、負の数と並べていきます。こうして並べていくということは自然数との対応をつくっていくということです。これは通常の「数え方」と同じです。有限集合ならばどこかで終わり、最後に対応した自然数が「個数」です。
式でかくと、正の整数nは2nに対応させ、0と負の整数-nは2n+1に対応させます。
これで1対1対応になりますから、自然数と整数は同じ濃度です。

有理数のほうは少し複雑になりますが、
0,1/1,1/2>,2/1,1/3,2/2,...
つまり、0から始めて分母と分数の和が小さい方から、和が同じ中では分子の小さい方から並べます。
このとき、1/1,2/2のように数としては同じものが出てきます。既に出てきたものと同じ数はとばしていけばいいのですが、式に表すことができなくなります。この点の理論的処理はできるのですが、かなり複雑で、この程度のスペースでは書けません。
これで自然数と有理数も同じ濃度になります。

では自然数と実数も同じ濃度なのかというと、1対1対応ができないことが証明できます。つまり、実数の方が自然数よりも「多い」ということになります。

無限集合の間にも「大小」があるのです。

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集合(2006年01月27日 22時17分

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2006年1月29日 11:29に投稿されたエントリーのページです。

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