日本語の数詞は基本的に中国語から輸入されたものを使っている。
もともとのやまとことばは、ひと・ふた・...つまり、「ひふみ...」と数えるときに使っているもの。これは現在では限られた使い方しかされない。
さて、タイトルに挙げた「十」だが、これは中国語から「じゅう」という音が入ってきている。旧仮名遣いでは「じふ」と書かれる。これは輸入されたときの音を写したもの。現代中国の標準音では音節の最後に来る子音は2種類しか残っていないが、輸入されたときにはpの音だったと思われる。以前にも書いたが、ハ行の子音は昔はpだったと思われる。そして、これが歴史の中で「じゅう」という音に変わってきた。
問題はこの次に他の語が続いたとき。例えば「十回」。今は恐らくほとんどの人が「じゅっかい」と読んでいると思うが、元の音が変化してきた中では「じっかい」となってきた。それが「じゅう」と変化した、単独での読み方に引きずられて「じゅっかい」という読みが発生したものと思われる。