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「ん」

「ん」というのは元々はなかった音のようだ。
平仮名が作られたころにはまだなかった。だから、イロハ歌には登場しない。

今の日本人には区別が困難なnとngの音が昔の人には区別されていたようだ。
昔はどのように発音されていたかは資料から推測するしかないのだが、漢字の音読みは当然中国語での発音を日本語に写したもの。

現代標準中国語では音節の最後に付く子音にはnとngの2種類だけになってしまっていて、日本人には聞き取りに苦労するが、発音する際にかなりの確度で区別することは可能。日本語での音読みが「ん」で終わっているものはn、それ以外はng。これは多くの学習書に書いてあるので、中国語を学ばれた方のほとんどはご存知だろう。

音読みが伝わった頃の音はもっと種類があったようなのだが、どうもngの音は当時の日本人には「う」に聞こえていたようだ。これを考えるときには現代仮名遣いではダメで、旧仮名遣い。もっとも、途中の時代で変えられたケースがあるので、せいぜい平安時代くらいまでの仮名遣いでないと間違えることがある。

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2006年3月12日 16:41に投稿されたエントリーのページです。

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