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通訳

通訳は難しい。
こんなことを思ったのは、NHKのど自慢チャンピオン大会の最後のほうを見ていたときだ。
グランドチャンピオンに選ばれたのは韓国から来た人だったのだが、司会者の質問に答えて「お父さんに愛していると言いたい」と言ったのを「お父さんが愛していると言ってくれた」と訳したのだ。しかも、言ってもいない「お父さんは既に亡くなっている」というのを付け加えた。ほとんどの人は訳がわからなくなったのではあるまいか。死んだ人が言ったとは。

すぐに翻訳しなければならないというプレッシャーは相当なものだろうと思う。
誤訳はあってはならないが、十分起こりうるものだと思う。外交の場の通訳は誤訳が外交問題に発展しかねないのでなおさら大変だろう。

しかし、意図的な誤訳もあるように思う。例えば、「天皇」はemperor、「自衛隊」はSelf Defence Force と訳される。しかし、emperor は「皇帝」であるし、Force には軍隊の意味がある。この訳語には意図を感ずる。ついでながら、韓国では「日王」と漢字あるいはハングルで表記する。これは「皇帝」は中国だけという中華圏の考え方が背景にある。歴史的にも初めて「天皇」と名乗ったときに中国は怒った。

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2006年3月11日 21:59に投稿されたエントリーのページです。

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