因数分解を教えるとき、通常は整係数(係数がすべて整数)の整式のみを扱う。
これはやっかいな問題を避ける意味もある。
実係数(係数が実数)にすると、「整式の約数・倍数」で扱ったような問題が出てくる。
2x2+8x+6=2(x+1)(x+3) という因数分解は実係数では、実は6=1×2×3のようなものになってしまう。
整係数ならば問題はない。
特別扱いするのは逆数も整式として扱うもの。実係数なら、1/2も整式になるが、整係数なら、整式にならない。だから、2は実係数では数の場合の1のようなものだが、整係数なら素数と同じ。
こんなやっかいな問題を悟られないようにしながら教えねばならないから大変。