日本(にほん、あるいは、にっぽん)というのがやまとことばではないということが意外と知られていない。
これは「ひのもと」に漢字を当てたもの。昔、日本は中華圏で中国語を標準語としていた。漢文が教えられるのもそのため。だから漢字を当てる必要があった。そして、その音読み、すなわち中国語名が使われるようになった。
中華圏の国では国名が中国語名になっている。韓国(大韓民国)しかり、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)しかり。さらにはベトナムもしかり。ベトナムは漢字では越南と書き、そのベトナム風音読み。今でこそ漢字を使わなくなったが、ベトナムも元々は中華圏で、中国語の影響は残っているらしい。
中国を除く中華圏で今も漢字がはっきり使われていると言えるのは日本くらい。北朝鮮は全く使わないし、教えない。韓国は公式文書では使われない。一時教えなくなったが、国民の反発で教えるようになっている。
ついでながら、英語のJapanは「日本」の中国語音が伝わったもの。「にほん」あるいは「にっぽん」と随分違うと感ずるかもしれないが、音読みにはいくつかあることを思い出していただきたい。「日」にも「にち」という音の他に「じつ」という音もある。これは伝わった時代が異なり、都も移ったため。だから、「じっぽん」という読みが採用された可能性もあるのだ。