最大値や最小値は文字通り最も大きい値や最も小さい値。
ところが、0 < x < 1 というようなケースを考えると、どちらもない。1が最大値のようなイメージだが、1はこの範囲の中にない。1の次に大きい値というのがあればよいのだが、そういうものはない。
実は、このケースでは1は上限、0は下限と呼ばれる。これらは高校では扱わないことば。
ある数の集合を考えるとき、そのすべてよりも小さい値を下界という。上のケースでは、0およびそれよりも小さい数はすべて下界。その下界には必ず最大値があって、それを下限という。同じように上界と上限を考える。
下界や上界に必ず最大値や最小値が存在するというのは実数の持つ重要な性質。
有理数ではこうは行かない。
上限や下限が元の集合に属すときはそれぞれ最大値や最小値。だから、上限や下限は最大値や最小値の概念を拡大したものといえる。こちらの方が一般的なイメージに近いと思うのだが。